『心と体の不調は「歯」が原因だった!』を読みました
『心と体の不調は「歯」が原因だった!』(丸橋賢著・PHP新書)を読みました。現役の歯科医師。全人的歯科治療を掲げ歯列矯正や咬合不良が身体や心の不調の原因だとしてチームを組んで治療を進めている。
この本の内容を目次から追うと、序章:現代人の不調の原因は歯にあった!-(医者に行ってもよくならない身心の不調/咬み合わせのズレを治して長年の苦しみが消えた/歯列不正や咬合不良で身体の歪みが生じる)、第一章:壊れやすい現代人-(咬み合わせが悪いと、最初に出るのは身体的な不調/猫背がひどくなるほど、退化は進んでいる/元気な人と病弱な人とは歯列弓が違う)、第二章:日本人は退化してきた-(退化や加齢によって、人間の姿勢は猿に戻る/ブータンでも都市では退化があらわれている)、第三章:歯を整えれば潜在能力が全開する-(歯を治しただけで、頭の働きがよくなる/なぜ咬み合わせを治すと頭がよくなるのか/退化した歯列弓がセロトニン不足を招く)、第四章:体を鍛えれば不調は改善される-1・・・人間の体はなぜ歪みやすいのか-二足歩行がもつ人類の形態的強みと弱み(運動の最大の目的は正しい姿勢を維持すること/胸椎、腰椎も歪みやすい)、2・・・人体の弱点を意識して運動する-(全身運動を基本として弱点を補強する運動を/通勤も買い物も歩くことを心がける/「疲れるから嫌だ」が退化を招く)、第五章:心と体の健康のもとは食にあり-(山村暮らしの高齢者が健康で長生きな理由/病んだ食生活が身体の不調を引き起こす/健康な人と病気の人の栄養バランスの違い)、第六章:人間破壊をもたらす怖い不良治療-よい治療は心と体を治す(歯の不適切治療がさらに全身症状を悪化させる/咬み合わせを治すと免疫力が大幅に向上する/咬み合わせを調整して自律神経のバランスを整える)、第七章:強い心を育てる-1・・・心の持ち方しだいで生きる力が変わる(入力する情報によって心は変わる/多くを求める心は、失うことを恐れて乱れる)、2・・・私を支えてきた原体験(母の死が教えてくれた誠実な医療のあり方)。
歯の咬み合わせを調整するだけで、うつ病や不定愁訴、アレルギー、頭痛、腰痛、肩こりまで治ってしまうというと本当かなと思ってしまうのだが、数々の事例を一部写真を使って具体的に説明してあり、症状が治る理由付けも成程とうなづけるものがあり、現場の歯科医師として数多くの患者を治療してきた実績があるので非常に説得力がある。その発病のメカニズムは次のように説明する。歯並びの悪さや咬み合わせのズレによって下あごが偏位し、それによって頭の重心が移動、それを支えるため首が傾き、次に脊柱を側弯させてしのぐようになる。その全身的な姿勢の歪みが神経等を圧迫し、種々の症状を生んでしまうのではないかという。
現代の特に若い日本人にこのような原因による症状が増えていると著者はいう。何故かというと、足腰、胴、首、手などを使わなくなったことと、歯や顎を使わなくなったことが原因という。使わないということは負荷をかけないということで筋肉や骨、歯の構造が弱くなってしまう。特によく咬まないことで歯列小さくなり上下の咬み合わせが乱れバランスを崩し、歯や顎がどちらかに偏って全体のバランスを崩してしまう。それを治す処方箋は難しいことではない。とにかく体を使うこととよく咬むことだという。使わなければ退化してしまうのは当然である。これが基本で食生活の改善も重要と述べられている。
感染症以外の病気は本人自身の生活習慣が原因であることが多い。著者のいうように歯や咬み合わせが原因になっていることが一定数あるのかもしれない。全てではないだろうが、おそらくある一部の原因になっているのは事実だろう。以下の病気に悩まされていて医者に通っても原因がわからず治らない人は歯を疑ってみるのも良いかもしれない。一読に十分に値する本である。
(症例) 頭痛・頭重感、視力低下・目の痛み、首や肩のコリ・四十肩、肩甲骨周辺のコリ、腰痛、脚の麻痺・疼痛・冷え、腕のしびれ、胃が重い、ふらつき・めまい・吐き気、無気力・鬱症状
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